ぶどうのいろいろな利用法
ぶどうの果実をそのまま生食するのは当然ですが、ぶどうの場合は他にもいろいろな利用法があるのが特徴的です。
乾燥させてレーズンにするのも一般的ですし、何より、ワイン、ブランデーなどのアルコール飲料になるという非常にメジャーな利用法があります。ジュース、ジャム、ゼリー、缶詰の原料としてもよく使われますが、実際には世界的にみると、ぶどうはワインの原料としてのほうが主ということになるでしょう。ワインを原料とした酢(ワインビネガー)も多く製造されています。
ブドウ属の植物は数十種あって、特に北米、東アジアに多く、インド、中東、南アフリカにも自生種が存在しています。日本の山野に分布するブドウ属の植物もあります。ちなみに米でも「うるち米」が食用で、「酒米」が酒造用になるように、ぶどうにも食用ぶどう、酒造用ぶどうがあります。
食用を「テーブルグレープ」、酒造用を「ワイングレープ」と呼びます。現在、ワイン用、干しぶどう用、生食用に栽培されているのは、ペルシア原産、カフカス原産のヴィニフェラ種、北アメリカのラブルスカ種が基本となっています。
ワインを製造している地域では、搾油の原料として残った種子を使い、「グレープシードオイル」も製造されています。
種子には「プロアントシアニジン」という有効成分があり、健康食品用にも抽出して活用されています。紫色をした皮にも「アントシアニン」などポリフェノールが含まれており、絞った後の皮は、肥料として利用されています。実は葉も食べられます。葉は西アジアなどの地域で料理ドルマの材料にされています。