ぶどうの基礎知識
ぶどう(葡萄)は非常に人気のある果物です。実は世界中で一番多く生産されている果物ということで、ヨーロッパでは栄養価の高さから「畑のミルク」とも呼ばれています。
ぶどうは、ブドウ科のつる性落葉低木、果実のことですが、栽培化の歴史は非常に古く、紀元前3000年には既に原産地のコーカサス地方やカスピ海沿岸でヨーロッパブドウの栽培が始まっていたようです。古代ギリシャでもワイン用のぶどう栽培が活発に行われていました。
ちなみに現在栽培されているぶどうの品種の多くは、ブドウの祖先ともなる「ヨーロッパブドウ」と「アメリカブドウ」を交配してできています。
ぶどうの日本への渡来は、中近東地方~古代ヨーロッパ、その後にシルクロード~中国へと渡り、奈良時代あたりに日本にも伝わってきたとされています。
アメリカブドウはその名の通り北米が原産ですが、これは古くから自生していたものです。
日本でも栽培が本格的になったのは明治時代になってからで、ただし山梨県原産の「甲州ぶどう」だけは、鎌倉時代の初期には栽培されていたとされています。
栽培ぶどうの場合は、ひとつの花に雄しべと雌しべがあって自家受粉します。つまり自家結実性があるということで、他の木がなくても1本だけで実をつけます。
食用するのは熟した果実ですが、これは子房が肥大化した部分です。果皮の色は、未熟な時はどれも緑色です。これが成長の過程で赤、黒の色素が次第に作られます。この果皮の色によって赤、黒、緑(白)の3つに大別されています。